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ICTコーディネーター・阪上からのメッセージ

テクノロジーを使って、優れた教師が行っている3つのこと

原文:3 things great teachers do with technology | eSchool News | eSchool News

Stephen Noonooさんが、eSchool Newsに投稿していた記事です。とても大事なことが発信されていましたので、ご参考になればと思いまして簡単に和訳してみました。

ややわかりにくい日本語の部分もありますが、ご了承ください。

テクノロジーを価値あるものに変化させ、学習に意味をもたらす3つの事例

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導入初期の先生方は、多くの場合、アプリやツールを探し、気に入ったものを生徒たちに紹介する。生徒たちは、興奮し意欲が向上することもある。しかし、教師がなぜそのツールを使うのかを明言できない場合、その導入には教育的な目的は欠如している。

代わりに、学習目標を先にたて、それからアプリを選定したり活動を支援するためにタブレットを使うのであれば、テクノロジーの効果的な導入の道を歩んでいる。

先生たちが教室の中でテクノロジーを活用するためのビジョンを描く手助けのために、いくつかの事例をご紹介します。

1. クリエイティブな作業をとおして、生徒の学習意欲を向上させる

 Shawn McCusker(高校・社会科)は、20年以上の教師経験のほとんどの間、産業の発展に関わった哲学者たちについてのエッセイを生徒たちに書かせていた。

 2年前、iPadのパイロットプログラムに関わり、生徒たちには選択肢を与えるようになった。

エッセイを書く、もしくはiPadに含まれるクリエイティブなツールを使うか。

YouTubeがシャイな生徒を救い、そして、動画の高いヒットが生まれた理由

 彼の生徒のひとりが、アダムスミスとカールマルクスを比較する12分の動画チュートリアルを作成した。

さて、この生徒はとてもシャイな子でした。クラスの生徒たちがそれぞれのプロジェクトを発表し終わり、彼女の動画が再生されようとしたとき、彼女はトイレに駆け込んだ。そして戻ってきたときに迎えていたのは、拍手喝采だった。

 ShawnはYouTubeチャンネルを持っていたため、生徒たちにはまた選択肢を与えた。本物の視聴者に公開するかどうか。クラスの生徒がYouTubeに投稿することを決め、動画をアップロードしたとき、何件かのヒットを集めた。その生徒はあまりにも興奮して、「このプロジェクトをもう少し取り組んでもいいですか?動画をもっとよくしたいんです」(いったいどれだけ多くの生徒が、エッセイをもっと書きたいというでしょうか?)

 この生徒のゴールは、ウェブ上に存在するアダムスミスとカールマルクスに関する資料の中で、一番人気のある資料にすることだった。もしGoogleを使って、これからの哲学者を調べると、ウィキペディアやアメリカ議会図書館などを差し置いて、彼女の動画がトップ3に表示されるでしょう。

 彼女がこれら視聴者の注目を得ることでどれだけのプライドと向上心を得ることができるか想像できますか?こ学習過程で向上心が高まり、もっとプロジェクトに取り組みたいと言い出した生徒の事例でした。また、シャイだったために、クラスで発言することがなかった生徒が、クリエイティビティを解放させることで、輝いた事例でもあります。

2. 学習者同士をつなげる

 優れた教師は、クリエイティビティをとおして生徒の学習意欲を向上させるだけでなく、生徒たちをほかの視聴者とつなげる取り組みをしている。生徒たちの知識が、他人の手助けとなるような場の提供をしている。

 Kristen Painoは、グローバルブックシリーズの発展に貢献をした、ニューヨーク在住の教師です。グローバルブックシリーズには、世界中の教師や生徒が執筆した本が含まれる。

 Kristenは、学校や地域に関して生徒たちがまとめた2ページの本を、積極的にTwitterやBook Creatorアプリをとおして紹介している。いまのところ、iTunes Storeに3つの本が出版されている。

 グローバルブックを作成することで、Kristenは世界中のクラスが一緒となり、何かユニークでクリエイティブなものを出版し、同時に互いに学び合うことができることを証明したいと考えている。 プロジェクトの魅力的な側面としては、地理の教え方が再定義されたということです。生徒たちは他の国の仲間から話を聞くにつれて、このような質問をしだした。:ロシアはどこか?メキシコはどこか?これらの国々は自分の国とどう違うのだろう?

従来は、受け身で教師からの一方通行であることが多かった地域の暗記や事象の丸暗記は、inquiry-based的な進め方に変容していった。生徒たちは質問をし合い、地理的な探求を進めていく。そうすることで、生徒たちは地図を見たくなった。生徒たちはもっとこれらの地域を学習したくなった。

生徒の頭から切り離されない授業

3. 学習に継続性をもたらす

数年前、当時16才の養女は学校から帰宅するなり、キッチンで調理器具をとりだした。その最中、彼女はiPodの動画を見ていた。「いったい何が起きているんだ?」と私は思ったものだ。

Oliviaは、上級日本語クラスにいる2人の生徒がつくったクッキングショーを見ていた。彼女は自分の料理を自分でつくる準備をしていた。Oliviaの先生は、新しい単語を本当に理解しているかどうか、チャレンジを与えていた。テストはなし、ワークシートもなし。彼らの課題は、語彙を本当に理解したかどうかを証明する「製品」をつくることだった。語彙のほとんどがキッチンにあるものだったため、生徒たちは「料理の鉄人」のパロディーを作ろうということになり、単語を使って、視聴者に料理をつくらせるユーモアあふれる寸劇を作成した。Oliviaはいま24才になり、昨年は日本で英語を教えた。彼女は、日本人の同僚を夕食に招いたときのことを振り返った。Oliviaはどのように夕食を準備したのかを説明していると、「待って!Olivia!あなたの日本語はそんなによくないわ!」と口に出された。

Oliviaは流暢に日本語を話せない、しかし彼女は、彼女が友達と作った「料理の鉄人」動画から語彙や動詞や熟語を記憶している。By her own admission, Olivaは、 その授業で学んだ「ほかのことはあまり思い出せない」 と告白している。しかし、7年後になっても料理の鉄人は彼女の頭の中で新鮮なままだ。

このようなクラスでは、生徒たちはプロジェクトのことを忘れない。shawnの生徒が作成した、あのアダムスミスとカールマルクスのビデオは彼女とともに離れることはない。彼女ががんばった過程だけではなく、その内容ももちろんのこと。

その生徒はこれらの哲学者の仕事についてなにもかも理解していると、Shawnは賛同するでしょう。動画は、純粋にテクノロジーが可能にした、彼女の知識の現れや表現である。実際には、彼らの仕事について読んだり、彼らの論争を分析したり、彼女の知識の中からプロジェクトをアウトラインしたりした時間である。

Tom Daccord is the director of EdTechTeacher [4], a professional learning organization.